なんで、手に汗にぎってるんやろ。
なんで、手が震えるんやろ。
怖がってるのかな。
怖い
怖いっていう感覚。
離人感が出だしてから、それぞれの感覚が分かりづらくなってきたけど、慢性的な離人症ではなくて、一日のうち、何回か症状みたいなんが出てくる。
鞆絵がこんなんじゃあかん。
今日、尭志が寝るまでと、明日一日、コントロールできるなら、離人し続けたい。
まるで他人事のように、
現実感をカケラも感じないように、
だけど、意識だけはしっかり持ってて、
記憶もちゃんとして。
ちゃんと作れたやん、聞く事をまとめて一枚の紙に出来た。
集中力ないから、何度も何度も休憩して、やり直しての繰り返しやったけど、半日かけて、出来た。
そんで、今、手の震えが治まらない。
どうして？
ちゃんと、明日のための準備は出来たのに。
これが、恐怖？
聞くのが怖いのか、あたしは。
知らないからこその、大きな不安。
鞆絵でもこんなんなら、尭志はもっともっと辛いはずや。
本当は聞きたくないし知りたくない、現実と向き合うっていうのは、なんて残酷なんやろう・・・。
悪い方に悪い方に考えてしまうからなのか？
でも、考えてたより、最悪のパターンなら、もっときっと自分を抑えられなくなっちゃいそうで。
覚悟
覚悟が必要。
想っているよりも、状態が良くても、悪くても、絶対に真っ向から向き合う覚悟。
現実から逃げないように。
（・・あ～・・でも、離人してる方がきっと楽なんだろうなぁ・・・）
そして、尭志の方が辛く怖いはずやから、
尭志を支える気持ちで。
動じないように。
冷静に。
必要ならば、尭志に実家に週に何日か泊まってもらいたい。
家族水入らずで、時間を過ごしてもらいたい。
だから、
鞆絵は大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。大丈夫。大丈夫。大丈夫。
強がりでも、自己暗示でも構わない。
何でも構わない。
鞆絵は、尭志を支えるんだ。
優しく、思いやりがある、大好きな尭志を、鞆絵が支える。
明日、
大腸がんから、リンパ節に転移した、
尭志の大切なお母さんの、
今までの治療と、現在の状態と、これからの治療方針を、
二人で聞きに行ってきます。
何があっても泣くもんかっ！！
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