川へは行った。
台風が近づいてて、
風が凄かった。
普段穏やかなあの川も、
白波をたてるほどの突風
何度も身体を揺さぶられる
感覚でしか伝えられなかった
「呼ばれている」というやつ
普段から、たとえタバコや酒が切れても
買い物に出かけられなかったのに、
何故鞆絵は、あの日、あの時に、川なんかに行ったのか・・・
逃げ?
でも、心のどっかでは、
「あぁ。きっともう、この家には帰って来ないな」
って想ってた。
川沿いに座って
音楽聴いて
手には彼岸花という相棒。
家を出るとき
雨は降ってた。
川についたら、
次第に雨が小ぶりになって、
やんだ。
そして、雲間から太陽さえ覗いた
泣いた
大声で泣いた
理由は分からない。
遠くで、ヨットをしてる人がいた
川釣りをしてる人もいた
動けない。
動けない状態が続いて
結局は尭志に迎えに来てもらった。
川にいてた時間は、
たぶん6時間くらい。
行きも帰りも、よく覚えてない。
アングルも様々に変化した。
ありえないアングルもあった。
ここに座ってる人は誰だろう?
誰かここに座ってる人が見えるのかな?
ブログに川に行く事を書いたのは、
たぶん、
・・・・・・・
誰かと、繋がっていたい気持ちがあったのかな。
メールや電話は、一切なかった。
今まで、尭志以外の人とは接触がなかった。
ちょっと、悲しかったのかもしれない・・・・
構ってちゃんかな。
そうだろうな。きっとそうだ。
本当に最期になる気がしてたのに、切ないなって想った。
今、少し落ち着いたからブログが書けるけど、
そのほかにも、色々あって。
尭志を泣かせてしまった。
怖い思いをさせてしまった。
尭志に迷惑がかかってる。
心配掛けすぎてる。
生きているだけで、尭志を悲しませないならそれでいいと想ってる。
尭志を悲しませる事が、何よりも辛いから。
でも、
呼ばれるのは、やっぱり、逃げかな。
尭志は、病や症状について、理解しようとしてくれると約束してくれた。
だから、死なないで、ここに一緒にいて と。
だけど、
今までどれだけ鞆絵が理解してもらうために、こういった問題にぶち当たる度に、
何度途中放棄されたか・・・
病を知る事は自分を知る事だって尭志は言った。
自分もそうかもしれないという、ギリギリのところで、理解をしようと頑張ってくれようとしてるみたい。
熱っぽくて、実際体温を測って余計にしんどくなる事がある。
それと同じなのだろかな。
別の日
土砂降り
声
怒り
聞こえて。
涙
尭志
体温
感じて。
引き止める腕・言葉
浮き足立つ
悲しませたくない気持ち
葛藤
どっかで想う
尭志、鞆絵の症状を理解する事がそんなに辛い事ならしなくてもいい。尭志が壊れてしまったら、もう、どうする事もできない。
引き止めるその腕は、自分のためでしょ?
なら、鞆絵も、自分のために、開放されたいと想う。
一緒にいても、無口で、笑えなくて、記憶も飛ぶ。
心配そうな尭志の顔。
尭志を開放するっていう意味も含めて
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